精神的・言葉の暴力(モラルハラスメント)を受けている

 モラルハラスメントの被害者がその苦しみを人に伝えるのは難しいです。配偶者の言葉がどんなイントネーションで言われたのか、どんな表情で、どんな目線を送ってきて、その裏にどんなほのめかしがあるのか、などを人に伝えることは、とても難しいことです。
 配偶者の言動のひとつひとつを見れば、世の中では取るに足りないとされているものであることが多いですが、それが全体としてまとまりを持ったときには、被害者の心を破壊するような恐ろしい力を持ってきます。
 たとえば、被害者が配偶者に何かを質問しても、まともに答えてくれないことがあります。言葉で答える代わりに、ほんのわずかな仕草で、被害者を不安にさせます。たとえば、配偶者のちょっとしたため息ひとつで、被害者の心は破壊されます。あるいは、被害者が別の部屋にいるときを見計らって、わざと怒ったように独り言を言ったり、わざとドアをバーンと閉めたりして、被害者を不安に陥れます。こういう場合、被害者は、自分が何か悪いことをしたせいで配偶者が怒っているのではないかとつい思ってしまい、不安が増幅してしまいます。そして、何か怒っているのか尋ねると、加害者は「何も怒っていない」と言います。
 また、モラルハラスメントの加害者は、矛盾する言葉を平気で口にしたり、何かを言いかけて途中でやめてしまったりします。
 
 モラルハラスメントの被害者は、自分が置かれた状況をどう言葉にしてよいのかわからないのが通常です。自分の身に起こったことを人に話そうとすると、なかなかうまく表現することができず、人にはわかってもらえないと無力感を感じる方も多いようです。
 さらに、モラルハラスメントの被害者は、自分がその被害に遭っているということを自覚することも難しくなっているケースも多いです。モラルハラスメントの加害者である配偶者から心理的に支配されてしまい、被害に遭っていることすら分からなくなって、逆に「自分が悪い」と思わされていることもあります。
 
 このようなモラルハラスメントの被害に遭っている方がご相談にいらっしゃった場合、この被害から逃れる方法をいっしょに考えます。モラルハラスメントを裁判で証明することは非常に困難を極めることが多いですが、そもそもモラルハラスメントを証明することが目的ではなく、被害から逃れることが目的ですので、その方策を考えて実行することが大切だと考えています。
 

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