SOGI(LGBTなど)

SOGIの基礎知識

SOGIとは、Sexual Orientation and Gender Identity の略称で、一般に「性的指向及び性自認」と訳されています。

この言葉を説明するとき、言葉の順番通り「性的指向」→「性自認」の順に説明するのが一般的ですが、ここでは「性自認」→「性的指向」の順に説明します。そのほうが分かりやすいと思うからです。

性自認

性自認(Gender Identity)とは、自分の性をどのように認識しているか、という概念です。

 

シスジェンダー(Cisgender)の人は、生物学的な性と自分が認識している性が一致しています。

 

トランスジェンダー(Transgender)の人は、生物学的な性と自分が認識している性が一致していません。

 

また、性自認が「女性」とも「男性」とも断言できない「Xジェンダー」の人もいます。

 

※なお、生物学的な性(あるいは身体的な性)は、「性染色体がXXである女性」と「性染色体がXYである男性」の2種類だけに分類されるわけではなく、「性染色体がXのみの人」や「性染色体がXXYの人」や「性染色体がXYだが、男性ホルモン受容体が欠如していて、性器や体の外見が女性に見えるため、女児として育てられ、思春期に生理が来ないため初めて症状に気付く人」などもいます。これらはDSD(Disorders of Development)と呼ばれ、身体そのものの話ですので、「性自認」における「Xジェンダー」とは全く別の話です。

性的志向

これに対して、性的指向(Sexual Orientation)とは、恋愛がどのような対象に向かうのか、という概念です。以下では、「女性」とは「性自認が女性である人」を指し、「男性」とは「性自認が男性である人」を指すこととします。

 

ヘテロセクシュアル(Heterosexual)とは、恋愛の対象が異性に向いている人のことをいいます(恋愛の対象が男性に向かっている女性、および、恋愛の対象が女性に向かっている男性です)。

 

ホモセクシュアル(Homosexual)とは、恋愛の対象が同性に向かっている人のことをいいます。

そのうち、恋愛の対象が女性に向かっている女性のことをレズビアン(Lesbian)と呼び、恋愛の対象が男性に向かっている男性のことをゲイ(Gay)と呼びます。

 

バイセクシュアル(Bisexual)とは、恋愛の対象が男女両方に向かっている人のことをいいます。

 

アセクシュアル(Asexual)とは、他者に恋愛感情や性的欲求を抱かない人のことをいいます。冷たい人という誤解を受けることがありますが、家族愛などの愛情や友情は抱きますので、決して冷たい人というわけではありません。

LGBTという言葉

「性自認」については、シスジェンダーが多数派です。

「性的指向」については、ヘテロセクシュアルが多数派です。

つまり、「シスジェンダー、かつ、ヘテロセクシュアル」の人が多数派です。

 

「性自認」に関するマイノリティ(少数派)である「トランスジェンダー(T)」と「性的指向」に関するマイノリティである「レズビアン(L)」「ゲイ(G)」「バイセクシュアル(B)」の頭文字を組み合わせたのが「LGBT」です。

 

「LGBT」という言葉には、「性自認に関するT」と「性的指向に関するL・G・B」という全く異なる次元のことが混じっているため、誤解を生じやすい言葉ですし、Xジェンダーやアセクシュアルやクエスチョニング(性自認や性的指向が定まっていない人)などのマイノリティが含まれていない言葉ですので、最近はSOGIという言葉が使われることも多くなってきました。ただ、今のところは、SOGIよりもLGBTのほうがポピュラーな言葉だと思います。

SOGIという言葉は、多数派である「シスジェンダー、かつ、ヘテロセクシュアル」の人も含む概念ですので、ここでは、「性自認」や「性的指向」に関して少数派の人を指す言葉として「性的マイノリティ」という言葉を使います。

性的マイノリティの人の割合

LGBTという言葉はよく耳にするけれども、実際にLGBTその他の性的マイノリティの人を身近に見かけない、という方も多いかと思います。

 

しかし、LGBT総合研究所が2019年に実施した調査によれば、性自認に関するマイノリティ(シスジェンダーではない方)が6.1%、性的指向に関するマイノリティ(ヘテロセクシュアルではない方)が7.0%、性的マイノリティに該当する方(「シスジェンダー、かつ、ヘテロセクシュアル」以外の方)が10.0%とのことです。(なお、電通が2018年に実施した調査によれば、性的マイノリティは8.9%とのことです。)

 

日本で多い氏(苗字)である「鈴木」「佐藤」「田中」「高橋」を合わせても人口の5%ぐらいにしかなりませんが、ほとんどの方は、周りに「鈴木さん」「佐藤さん」「田中さん」「高橋さん」がいると思います。性的マイノリティの人は、その2倍ぐらいいることになります。カミングアウトしていない人が多いため、なかなか気づかないのだと思います。

性的マイノリティの人の生きづらさ

社会からの強烈な差別・偏見や、国の法律が整備されていないことが原因で、この世の中は、性的マイノリティの人にとって非常に生きづらい社会になってしまっています。

 

この差別は非常に根強いため、残念ながら、この社会はそう簡単に変わる見込みが感じられません。

 

そのような中で、当事務所は、性的マイノリティの方が少しでも生きやすいように、問題の解決のためのお手伝いができればと思っています。

トランスジェンダーと「性同一性障害者」

2003年に「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が制定されました。この法律の第2条で、「性同一性障害者」の定義が次のように定められています。

 

①生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち、かつ、

②自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって、

③そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているもの

 

この定義は、あくまでも、法律が「性同一性障害者」の定義として定めたものに過ぎません。トランスジェンダーは、これよりも広い概念です。

 

なお、性同一性「障害」というネーミングに疑問を感じる方も少なくないと思います。

こうした中で、国際的診断基準であるDSM-5から、性同一性障害(Gender Identity Disorder)の名称の代わりに、性別違和(Gender Dysphoria)という名称が使われ始めています。

 

名称の問題はともかくとして、法律上の「性同一性障害者」の定義に当てはまったとしても、家庭裁判所の裁判(正確には「審判」といいます)により、性別の取扱いの変更をしてもらうためには、さらに次の条件も満たす必要があります。

 

①20歳以上であること。

②現に婚姻をしていないこと。

③現に未成年の子がいないこと。

④生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。

⑤その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。

 

しかし、特に④や⑤については性別適合手術を受けることが必要であり、そのためには身体的にも金銭的にも大きな負担を強いられることになりますので、トランスジェンダーの方にとって大きなハードルとなっています。

 

そもそも性別適合手術については、トランスジェンダーの方の中にも、受けることを望まない人もいますし、望んでも健康上の理由や経済的な理由のより、手術を受けることができない人もいます。

2015年に、経済産業省の職員でトランスジェンダーの人が、外見上は女性だけれども健康上の理由で性別適合手術ができず、職場で女性トイレの使用を許されないという処遇の改善を求める訴訟を提起しました。2019年12月12日、東京地方裁判所は、「日本でも、トランスジェンダーがトイレ利用で大きな困難を抱えており、働きやすい職場環境を整えることの重要性が強く意識されている」とし、女性用トイレの使用制限を「自認する性別に即した社会生活を送るという重要な法的利益の制約にあたる」と指摘し、経済産業省の対応は違法と判断しました。

 

このように、性別の取扱いの変更の審判を受けなくても、また、性別変更手術を受けなくても、トランスジェンダーとしての適切な処遇を受けることも可能です。

 

トランスジェンダーの方は、まさに毎日の日常生活において、さまざまな不便を強いられていると思います。

当事務所は、トランスジェンダーの方が少しでも生きやすいように、問題の解決のためのお手伝いができればと思っています。

パートナーシップ制度

パートナーと法律上の「結婚」ができなくて苦労している、性的マイノリティの方がたくさんいます。

性的マジョリティの人ができる「結婚」には、さまざまな「特典」がついています。性的マイノリティというだけの理由で、その「特典」を受けられないという差別を受けているのです。

 

国の法律が改正されない限りこの差別はなくなりませんが、少しでも改善しようとして、2015年、東京都渋谷区が同性カップルのパートナーシップ制度を開始し、その後、いくつかの自治体がパートナーシップ制度を始めました。

 

当事務所が所在する大阪府堺市では、2019年4月1日から「堺市パートナーシップ宣誓制度」が開始しました。趣旨としては、「誰もがありのままに自分らしく暮らせるまちをめざす取組として、お互いを人生のパートナーとし、日常生活において相互に協力し合うことを宣誓した性的マイノリティの方に対して、市が宣誓書受領証を交付する制度」で、A4タイプと携帯用カードタイプの2種類の「堺市パートナーシップ宣誓書受領証」がパートナーの2人それぞれに交付されます。

これによって利用できる堺市の制度としては、「泉北ニュータウン住まいアシスト補助」や「堺市立総合医療センターでの面会や手術の同意」や「市営住宅への申込」や「パートナーが犯罪被害を受けたときの日常生活支援」などがあります。

任意後見契約書

同性カップルの方で、将来、自分やパートナーが認知症等になった場合、誰が自分やパートナーの生活サポート、療養看護、財産の管理を行うか心配されている方もいると思います。

 

民法という法律に、成年後見制度というのがあります。

しかし、パートナーは成年後見開始の申立権者ではありません。

また、申立権者によって成年後見開始の申立てがされても、家庭裁判所がパートナーを成年後見人に選任するとは限りません。

 

そこで、当事務所は、任意後見契約書をお勧めしています。これは、認知症等(判断能力が不十分になった時)に向けて、誰に、生活サポート、療養看護、財産管理を任せるかあらかじめ決めておくものです。

これによって、パートナーに、将来の生活サポート、療養看護、財産管理を任せることができます。

遺言書

同性カップルの方で、将来、自分の死後に、預貯金や一緒に暮らしていた自宅等の財産をパートナーに相続させて、パートナーに安心した生活を送ってもらいたいという方も多いと思います。

しかし、現在の日本では、同性カップルの法律婚が認められていないため、自分の死後、財産をパートナーに権利として相続させることはできません。

 

そこで、当事務所は、このような場合、遺言書を作成することをお勧めしています。遺言により、財産をパートナーに引き継ぐことができます。

SOGIハラスメント

職場でのSOGIハラスメント

・性的マイノリティであることを理由に内定を取り消された。

・採用する際には、性的マイノリティであることを職場に公表すると言われた。

・性的マイノリティであることを理由にハラスメントを受けた。

など、さまざまなご相談にについて、問題の解決のためのお手伝いができればと思っています。

学校でのSOGIハラスメント

・トランスジェンダーの子が性自認に合った服装で学校に通いたいが、学校が認めてくれない。

・トランスジェンダーの子が性自認に合ったトイレを使いたい。

・トランスジェンダーの子が学校でいじめられている。

など、さまざまなご相談について、問題の解決のためのお手伝いができればと思っています。

アウティング被害

アウティングとは、本人の了承を得ずに本人が公にしていない性自認や性的指向を暴露することです。

 

性的マイノリティの人が社会からの強烈な差別・偏見を受け続けている現状において、アウティングは、身を切られるような極めて重大なプライバシーの侵害です。

 

当事務所は、アウティング被害の重大性を認識しています。

いったんアウティングされてしまった被害を完全に回復することはできませんが、善後策として、これから何ができるかを一緒に考えていきたいと思います。

パートナーとのトラブル

法律上の結婚の場合と同様に、同性パートナーとのトラブル(DVやモラハラや不倫など)が起こることは当然あります。

 

この場合、法律上の結婚でないために、特有の問題が生じえます。

 

当事務所は、このようなパートナーとのトラブルにも、対応します。

 

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